仕事をする上で欠かすことのできないものの一つがオフィスではないでしょうか。コロナ禍によってリモートワークの導入が急速に広まり、日本の企業もオフィスに対するアプローチを大きく転換しました。この流れからも、今後どのようなワークスペースをもとに、企業の目的を達成するのかというオフィス戦略が、より一層の重要性を増すと言えるでしょう。
例えば、顧客対応を重要視するのであれば、顧客に近い場所にオフィスがあった方が何かと便利です。従業員を集めやすくしたいと考えれば、通勤に便利なターミナル駅近くにオフィスを構えると良いでしょう。これらのケースからも、企業の置かれた状況によって最適なオフィス戦略が変わることがわかります。
今回はオフィス戦略について、エリアという観点から考えてみたいと思います。
東京において、特にビジネスエリアとしての機能を果たしているのは、「主要5区」と呼ばれる千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区です。オフィスビルが立ち並び、交通の利便性の高いこれら主要5区は、まさに日本のビジネスの中心地だと言えるでしょう。
ただし、主要5区の中であれば、どのエリアにオフィスを構えても良いというわけではありません。例えば、渋谷にはIT企業が多いなど、主要5区内でもエリアによって地域の特色があるからです。
クロスオフィスは東京都内でサービスオフィスを展開しており、新宿(新宿区)、渋谷に2拠点(渋谷区)、日比谷(千代田区)、内幸町(港区)、三田(港区)、六本木(港区)と主要5区内に7拠点がありますが、業種やニーズなど、拠点によって入居している企業の特長は異なります。
ビジネスを展開する上で、オフィスを構えるエリアがどんな特性を持っているのかを把握することは重要です。最適な場所にオフィスを構えることが、事業成功への鍵と言っても過言ではないからです。エリアの特性を把握し、戦略的なオフィス選びの第一歩としましょう。
新宿エリア:世界一のターミナルはIT企業や小売業の一大拠点
新宿エリアは、1日に350万もの人が乗り降りし、世界一のターミナル駅としてギネスに認定された新宿駅を擁しています。さらに、世田谷や八王子などの東京の西部や神奈川・埼玉といった東京の近郊からのアクセスが便利なエリアとなっています。
さらに、2016年には同駅南口に高速バスターミナル「バスタ新宿」がオープンしました。中部地方や東北地方の主要都市を結ぶ路線なども運行されており、遠方からの利便性も向上しています。まさに、多くの人々が行き交う一大拠点と言えるでしょう。
特に西新宿地区には東京都庁舎をはじめ、超高層ビルが立ち並び、IT産業の本社機能が進出していると共に、先端コンピューター関連の事業所も多くあります。こうした背景から、新たなビジネスチャンスを求める起業家が多く集まるのも新宿エリアの特徴の一つです。
また、人の流れが多く、さまざまな商業施設が立ち並ぶため、そこで働く従業員の数も多いのが特徴です。産業別では卸売業や小売業が多く、特に医療品や化粧品、書籍や文具、スポーツ用品関連の事業所数が1500を超えています。
店舗や小売業が多いことに合わせて、不動産の関連企業が集中しているのも新宿エリアならではの傾向です。これらの特徴から、新宿エリアに適している業種の一つに、店舗向けのサービスや製品を販売している企業が挙げられます。小売業が盛んであり、新たな顧客を獲得するチャンスが広がっていると言えるでしょう。
クロスオフィス新宿は、オフィスビルの立ち並ぶ西新宿にあります。都営地下鉄大江戸線の新宿西口駅から徒歩1分の好立地にあり、新宿を拠点に業務を展開したいと考えている企業にはうってつけの場所にあります。
渋谷エリア:文化の発信地から世界有数のビジネス拠点へ
IT企業が日本一多く、スタートアップも活躍
若者文化の発信地というイメージの強い渋谷エリアは、2012年にオープンした「渋谷ヒカリエ」をはじめとする大規模な再開発によって上場企業の進出が相次ぎました。上場企業の数は東京23区内で4番目に多い204社(2022年時点)に達し、都内でも有数のビジネス街としての顔を持つまでに変貌を遂げています。
また、上場企業だけではなくスタートアップが多いのも、渋谷エリアならではの特徴です。その数はなんと23区内でトップの1651社(2022年時点)にも上ります。
渋谷エリアがIT関連のスタートアップ企業に魅力的な場所とされる理由は、情報が容易に入手できること、ビジネスチャンスが豊富に存在することなどが挙げられます。特に、若くて優秀な人材を確保したいというIT企業の思惑が、渋谷エリアにスタートアップを集める一因と言われています。
クロスオフィス渋谷はJR渋谷駅から徒歩4分の好立地にあります。1人用のコワーキングスペースやラウンジがあるなど、特にスタートアップには便利に働ける環境が整っています。
また、JR渋谷駅から徒歩7分、東京メトロ表参道駅へのアクセスも便利な立地のクロスオフィス渋谷メディオもご利用いただけます。10人以上の入居が可能な大型のサービスオフィスが特徴的で、新たなビジネスの展開を考えている企業には理想的な環境です。
虎ノ門(日比谷・内幸町)エリア
古くから政治・経済の中心として発展し、法曹関係者が多く集まる
江戸時代に江戸城の南端に設置された「虎之御門」に由来する名前を持つ虎ノ門エリアは、古くから政治・経済の中心として発展してきました。その理由は、国会議事堂のある永田町や、外務省や財務省などの中央官庁が立ち並ぶ、霞が関の官公庁街に近接しているからです。
霞が関一体に中央官庁を集中させようと計画を立てたのは明治政府です。当時は現代のように通信手段が発達していなかったため、皇居や国会議事堂に近接して官庁を設置することで、緊急の対応が必要な時にすぐに連絡が取れるような体制を取っていたからだと言われています。
現在では東京地方裁判所や知的財産を扱う特許庁もあることから、隣接する虎ノ門エリアには、弁護士や弁理士といった法曹関連の事務所が多く集っているのも特徴の一つです。
また大規模な再開発により高層ビルが立ち並ぶ、都内有数のビジネスエリアへと成長した汐留や、長い間サラリーマンの街として古くから賑わいをみせてきた新橋とも隣接しています。そのため、多くのビジネスチャンスに恵まれたエリアだと言えるでしょう。
クロスオフィス日比谷は官公庁街の近くにあるため、弁護士をはじめ士業関係者におすすめのロケーションです。クロスオフィス内幸町は、2023年秋に4つ目の超高層ビルが完成し「国際新都心・グローバルビジネスセンター」を形成する虎ノ門ヒルズに徒歩圏内の便利な立地が魅力の一つです。
品川エリア:ものづくりの街からビジネス街へ
関西や東海からのアクセスも抜群
日本三大工業地帯の一つである京浜工業地帯の一角で、「ものづくりの街」として発展した品川エリアは製造業の盛んな街として発展しました。製造業のほか、流通業が多いのは、その名残だと考えられます。
その品川が東京でも有数のビジネスエリアへと変貌を遂げたのは、東海道新幹線・品川駅の開通がきっかけです。品川駅周辺は再開発により高層のオフィスビルが立ち並び、街の様子が一変しました。新幹線のほか、羽田空港からのアクセスも便利なため、関西地方や東海地方などに本社を構える企業が、東京の拠点としてオフィスを構えるケースも多いようです。
クロスオフィス三田は、品川駅から2駅の距離に位置するJR田町駅から徒歩圏内にあります。田町駅にはオフィスやショップの入った複合ビル「ムスブ田町」が2020年にオープンするなど、新たなビジネスエリアとして注目を集めています。また、慶應義塾大学のお膝元でもある三田エリアは上場企業や外国の大使館があり、古くからからビジネス街として発展してきました。
六本木エリア:国際色豊かなビジネスエリア
グローバルなつながりを求める企業が進出
六本木エリアは、東京の中心にほぼ位置し、高級レストランやブティックが並ぶおしゃれな街として知られているのが六本木エリアです。バーやクラブなど深夜まで営業する店を目当てに訪れる人たちで賑わっていることから、夜の繁華街という印象を持っている人も多いかもしれません。
その一方で、外国の大使館や外資系企業が数多く立地する、国際色豊かなビジネスエリアとしても知られています。このエリアが国際色豊かな理由は、戦後にアメリカの公的施設が置かれたためだと言われています。外国人向けの店舗が数多く出店するなど、街の発展に大きな影響を与えました。今も外資系の企業が多いのは、その名残と言われています。
今後もビジネスのグローバル化がますます進む中、ビジネスにおける六本木エリアの注目度・重要度はさらに増すのではないかと予想されます。
東京メトロ、都営地下鉄の六本木駅から徒歩2分と好立地にあるクロスオフィス六本木には、グローバルなつながりを求める企業やスタートアップなどが入居しています。
オフィスを構えるといっても、業種や業態によって適したエリアが異なることがお分かりいただけたかと思います。オフィスを設ける際には、自社のビジネスがどのエリアに適しているのかを検討することが、戦略的なオフィス選びの最初のステップとなるのです。適切なエリア選びを通じて、ビジネスの成果を最大限に引き出しましょう。