サステナブルとは、「持続可能な」という意味の言葉を指します。現在世界中で持続可能な社会を目指し、様々な活動が進められています。その活動の指針となるのが国連サミットで採択された「SDGs」と呼ばれる持続可能な開発目標です。
環境問題から労働環境、経済活動まで幅広い社会問題を解決するには、すべての企業と従業員がサステナブル意識を高め、具体的な活動に取り組んでいくことが求められます。
そこで今回は、サステナブルやSDGsの概要から、企業が配慮すべきオフィス環境について解説します。
後半では都心にレンタルオフィスを展開する「クロスオフィス」のSDGs対策について具体的にご紹介しますので、サステナブルなワークプレイスについて検討中の方はぜひ最後までご覧ください。
サステナブルとSDGs
SDGs(Sustainable Development Goals)は「持続可能(サステナブル)な開発目標」の略称です。
日本を含めた、193の国連加盟国が参加した2015年の国連サミットで、2030年までに目指したい持続可能(サステナブル)な世界を達成するために採択されました。環境・経済・社会など17目標で構成され、2030年の達成に向けた169の達成基準と232の行動指標が定められています。
SDGsには環境問題や労働問題など、企業が率先して取り組むべき社会課題が多く含まれているため、すべての企業は従来の大量生産・大量消費という経済活動に終止符を打ち、サステナビリティ経営への転換が求められています。
サステナビリティなビジネスモデルがスタンダード化する背景
大企業や上場企業にとってステークホルダーの信頼獲得に欠かせないものとなっているSDGsへの取り組みをまとめた「サステナビリティ報告」は、標準的なものになりつつあるといえます。
事実「KPMGグローバルサステナビリティ報告調査2022」では、世界トップ企業の96%はサステナビリティ報告を実施済みであり、近い将来100%になると考察されていました。
消費者のSDGsニーズが高まるなか、企業の経営方針やサービス展開が持続可能で、SDGs責任を果たしているかどうかが、企業の将来性や価値の評価基準になっていることは明白でしょう。
SDGsに配慮したオフィス環境の具体例
エネルギーや水、空調設備などで環境評価認証(グリーンビルディング認証)を取得した、環境配慮型オフィスへ入居・移転する企業が増加しています。
実際に世界最大手の総合不動産サービス会社による調査では、日本を含むグローバル企業426社と投資家221社のうち、79%が「二酸化炭素排出量の削減に役立つビルを入居先として優先する」と回答しました。
特にグリーンビルディング認証である「LEED、CASBEE、GRESB」を取得した建物は、オフィスを構えるだけでも対外的なアピールとなります。
サステナブルなオフィス環境づくりは、地球環境に優しいだけでなく、企業ブランドを高める効果も期待できるのです。
サステナブルなオフィス環境づくり
サステナブルなオフィスを目指すにあたって、社員全員でSDGsへの目的意識を共有し、取り組むための環境整備が欠かせません。
例えばSDGs目標の「7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに」や「12.つくる責任つかう責任」達成に向けては、以下のような施策が有効です。
オフィスの照明やエアコンの使用ルール策定、ペーパーレス化の推進は環境負荷の低減につながります。
環境負荷が少ない省エネのオフィスビルに入居したり、廃材や海洋プラスチックなどのリサイクル素材を活用したオフィス家具の導入なども効果的です。
賃貸オフィスでは退去テナントの原状復帰を最低限とし、内装や什器備品を使い捨てにせず新規入居者へ引き継ぐことで、廃棄物を減らすことができます。
働きやすい健康経営の実現
SDGsの「3.すべての人に健康と福祉を」「8.働きがいも経済成長も」という目標では、すべての従業員にとって働きやすく、個人のウェルビーイングをサポートできる環境整備が求められます。
例えば2021年からMicrosoft Teamsなどが導入している「バーチャル通勤時間」は、仕事のオンオフを切り替えづらいリモートワークでのワークライフバランスをサポートするための機能です。
リモートワークでは通常より勤務時間後のチャット利用率が69%増加したという調査結果も出ているため、「バーチャル通勤時間」で始業・就業時間を通知して長時間労働の是正を促すことは今後重要となってくるでしょう。
また、在宅勤務やリモートワーク、サテライトオフィスの活用などでエリアにとらわれない働き方を推進することも重要です。
社員の住む場所や働く場所の自由度が上がることでウェルビーイングに貢献できるほか、地方人材の離職防止や他社との差別化につながるなど人材市場で有利に働くメリットもあります。
サステナブルなオフィス環境を選択するには
SDGsの機運が高まるなか、すべての企業と社員はサステナビリティの意識を高く持ち、ビジネス活動を行うことが求められています。
特に環境配慮型のオフィスビルを選定するかどうかは、企業の将来性や信頼度を決める要素となりつつあるため、トレンドをふまえたオフィス戦略を定めることが重要です。
もしサステナブルなオフィス環境の選定に迷っている場合、シェアリングエコノミーの一環として資源や空間を効率よく利用できる「レンタルオフィス」を検討するのがおすすめです。
レンタルオフィスはコワーキングスペースやサテライトオフィスとして幅広い利用ができ、コスト削減、ウェルビーイングな働き方推進、低リスクでの入居などが叶うため、SDGs達成への近道となるでしょう。
オリックス株式会社が運営するレンタルオフィス「クロスオフィス」のSDGs対応実績を紹介
世界ではオフィスの性能基準である「サステナビリティ・ガイドライン」が策定されており、日本をはじめとした全世界のオフィスへの導入が進められています。
特にオフィスにおけるサステナブルでは、エコや環境問題への配慮は当然のこと、災害時のリスク軽減も重要です。
クロスオフィスは多彩なワークプレイスを運用する企業として、省エネ性の高いオフィス環境づくりのほか、災害大国日本でSDGsと持続可能な発展を両立させるためのさまざまな取り組みを行っています。
ここでは、クロスオフィスが取り組む具体的なサステナブル施策をご紹介します。
オリックスグループによる太陽光発電運用および、保有施設への紐づけ
クロスオフィスを運営するオリックスでは、ロジスティクスセンターに太陽光発電システムを設置し、発電した電力を自社施設で消費しています。
一部クロスオフィスでもオリックスの余剰発電分の環境価値が紐付けられており、SDGsの「13.気候変動に具体的な対策を」「7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに」達成のため、脱炭素化社会の実現に向けて環境に配慮した取り組みを行なっています。
クロスオフィス日比谷
クロスオフィス日比谷では「CASBEE-Sランク」「トップ レベル事業所」の認定取得可能水準である飯野ビル内でオフィスを展開しています。
飯野ビルは、自然換気システムやダブルスキン外壁などの省エネ設備などにより、地球環境に優しい長寿命型ビルディングです。
CO2削減義務のあるテナントにメリットの大きい、新世代オフィスといえます。
クロスオフィス六本木
クロスオフィス六本木は、CASBEEのラウンドクロス六本木にワークスペースを構えています。
※CASBEE-ウエルネスオフィスとは建物利用者の健康性、快適性の維持・増進を支援する建物の仕様、性能、取組みを評価する認証です。建物内で執務するワーカーの健康性、快適性に直接的に影響を与える要素だけでなく、知的生産性の向上に資する要因や、安全・安心に関する性能についても評価します。
働く場所や時間にとらわれないABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)のコンセプトに基づいた内装・照明・空調配置で、幅広いオフィス空間を設計しています。
CASBEE-ウェルネスオフィスの評価結果では防音・遮音設備の完備や、ライトの眩しさを軽減するグレア対策などでも高い評価を得ています。
クロスオフィス三田・内幸町
※写真はクロスオフィス内幸町の外観です。
クロスオフィス三田・内幸町では、ビル屋上に太陽光パネルを導入し、共用部の消費電力として活用しています。
開閉可能な窓により春や秋は空調使用量をおさえ、災害や停電時の換気にも対応可能です。
また、災害対策として72時間対応非常用発電機の設置や、クロスオフィス内幸町では防災井戸、そのほかクロスオフィス全拠点では入居者用の防災備品を用意するなど、安心してビジネスに集中できるオフィス環境整備を行っています。
個人事業主やフリーランス、小規模な法人などのスモール企業では本業が忙しく大手企業のような取組は難しいため、クロスオフィスがサポートします。