オフィスを移転する際、取引先や顧客に新住所をお知らせするオフィス(事務所)移転案内状を送ります。
ビジネス文書のひとつであるため、オフィス移転案内状は事業に欠かせない文書です。
オフィス移転案内状を出すタイミング、案内状の内容、マナー、文例についてまとめましたので、オフィス移転を予定されている企業はぜひ参考にしてください。
オフィス移転案内状の役割
オフィス移転案内状は、オフィスを移転したことを取引先や顧客に知らせるための書面です。
手書きではなくパソコンで作成し、郵送(ハガキ・封書)やFAXで案内するのが一般的で、オフィス移転と同時に社名変更をする場合は両方を同時に知らせても問題ありません。
オフィス移転案内状を送付すると同時に、会社のホームページにも移転案内を掲載しておくと良いでしょう。
オフィス移転案内状を出すタイミング
オフィスを移転するということは、納品書や請求書などの宛先も変わるということなので、自社だけでなく取引先にとっても重要な変更となります。
オフィス移転案内状を出すタイミングは、移転の1ヶ月前に出しておくのが一般的です。
案内状の差出人住所は、移転前なら旧住所で、移転後なら新住所を記します。
早く出し過ぎると送付先が違ってしまう恐れがありますので、早くても1ヶ月半前、できれば1ヶ月前がちょうどいいタイミングと言えます。
オフィス移転案内状の内容
オフィス移転案内状の記載内容はそれほど多くありません。
挨拶、新住所を記し、スペースに余裕があれば簡単な地図を記しておくと親切です。
官製はがきだと地図を記すスペースが限られるので、地図を記すならA4用紙などにプリントアウトして封書で送る方が良いでしょう。
移転前にオフィス移転案内状を送付する場合は、営業開始日の記載も忘れないようにしましょう。
新オフィスでも営業開始日を記しておかないと、移転前に新オフィスに取引先や顧客に足を運ばせてしまうことになりかねません。
オフィス移転案内状のマナー
オフィス移転案内状のマナーとして、頭語と結語は必ず入れます。
頭語は「拝啓」、結語は「敬具」を使用するのが一般的です。
「謹啓」は「拝啓」よりも敬意が高い表現で、頭語に「謹啓」を使用する場合は、結語は「敬白」か「謹言」、または「敬具」でも構いません。
時候の挨拶を入れるのも忘れないようにしましょう。
季節によって時候の挨拶は異なり、同じ季節でも複数の文言があります。
できれば前向きな言葉の方が印象が良くなります。
【時候の挨拶例】
1月:初春の候、厳寒の侯
2月:余寒の侯、立春の候
3月:早春の侯、浅春の候
4月:陽春の侯、桜花の候
5月:新緑の侯、若葉の候
6月:梅雨の侯、向暑の候
7月:初夏の候、盛夏の侯
8月:立秋の候、残暑の侯
9月:初秋の侯、秋風の候
10月:秋冷の侯、菊花の候
11月:晩秋の侯、暮秋の候
12月:初冬の侯、寒冷の候
オフィス移転案内状の文例
オフィス移転案内状の文例をひとつご紹介します。
挨拶文はこの限りではありませんので、参考としてご覧いただければと思います。
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拝啓
〇〇の候(時候の挨拶)、貴社ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます。
さて、この度弊社〇〇〇は、下記へ移転することになりましたので、謹んでご案内申し上げます。
何卒ご高承の上、今後ともお引き立てを賜りますようお願い申し上げます。
まずは略儀ながら書中にて、通知かたがたご挨拶申し上げます。
敬具
平成◯年◯月◯日
◯◯◯株式会社
代表取締役 ◯◯ ◯◯
新所在地:
〒郵便番号
住所:◯◯◯◯
電話番号:◯◯◯−◯◯◯−◯◯◯◯
FAX: ◯◯◯−◯◯◯−◯◯◯◯
営業開始日(移転日):平成◯年◯月◯日
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オフィス移転に伴い、一時的に電話が不通になる場合などは、補足事項として案内状の最後に以下のように記しておきます。
※オフィス移転に伴い、◯月◯日は電話が不通となります。
ご迷惑をおかけしますが、何卒ご理解ご協力の程よろしくお願い申し上げます。
オフィス移転後にすべき郵便局への転居届の提出
オフィス移転後は旧住所に郵便物が届くことがありますので、郵便局に転居届を提出し、宛先が旧住所の郵便物を新住所に届けてもらいます。
転居届は最寄りの郵便局で提出することができます。
インターネット上で転居届が提出できる「e転居」というサービスを利用すれば、パソコンやスマートフォンから転居届を提出できるので便利です。
転居届を提出すると、1年間新住所に転送してくれます。